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こんにちは。薬剤師のオータムです。
ドリエル、ネオデイ、アンミナイトなど、ドラッグストアでは「睡眠改善薬」が市販されているのを目にすることがあると思います。
これらは「睡眠改善薬」であり、実は医療用の「睡眠薬」とは似て非なるものです。
はたして市販の「睡眠改善薬」の効果とはどのようなものなのでしょう?
今回の記事ではそんなことについて解説していきます。
- 市販の「睡眠改善薬」について知りたい人
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目次
市販の睡眠改善薬ドリエルの効果とは?医療用の睡眠薬とはどう違う?
主な市販の睡眠改善薬
現在市販されている睡眠改善薬には次のようなのものがあります。
市販の睡眠改善薬の有効成分は全て「ジフェンヒドラミン」です。
ジフェンヒドラミン、もしかしたら名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。
そうです。ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬です。
えっ! 睡眠薬だと思っていたら抗ヒスタミン薬だったということかニャ?
そうです。ドリエルもネオデイもアンミナイトも、現在市販されている睡眠改善薬は全て中身は抗ヒスタミン薬です。
つまり、どういうことだってばよ……
そう思っている方は、私が以前書いたこちらの記事をご覧ください。
どうでしょう? おわかりいただけましたか?
副作用の頁を見ていただければわかると思います。副作用に「眠気」とありますね。
確かに抗ヒスタミン薬は眠くなるってよく聞くニャ……!
と、いうことは睡眠改善薬は睡眠薬として寝付きを良くする効果があるのではなくて、抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用していたということだったのかニャ……!
そういうことです。市販の睡眠改善薬は全て抗ヒスタミン薬の副作用を逆手に取ったものだったのです。
詳しくは以前の記事を読んでいただければわかりますが、ジフェンヒドラミンは第一世代の抗ヒスタミン薬であり「鎮静性」の抗ヒスタミン薬に分類されていることがわかります。
つまり、それだけ眠気が起きやすいということであり、その起きやすい眠気を利用しているのですね。
実際に睡眠を促す作用があるのではなくて、抗ヒスタミン薬の副作用を利用していることからもなんとなくわかると思いますが、市販の睡眠改善薬の効果は限定的です。
また、何日も続けて飲むと、耐性ができて(体が慣れてきて)、体感できる眠気はほとんど無くなってくるという報告があります。
そのため、「睡眠改善薬」として使用できる日数は2〜3日程度でしょう。
あくまで部屋の睡眠環境などの改善など薬を使わない手段をいろいろ試した上で、それでもなお不眠が続く場合に一時的に使用するものと考えておくのが無難と言えます。
睡眠改善薬の副作用
上述した理由により、睡眠改善薬の副作用はそのまま抗ヒスタミン薬の副作用に当てはまります。
抗ヒスタミン薬では口が乾きやすくなったり、前立腺肥大や緑内障の症状を悪化させてしまうということも聞いたことがあるかもしれません。
少し難しいので詳細な説明は割愛しますが、これは「抗コリン作用」という作用によるものです。
抗コリン作用により口の乾きやまぶしさ、便秘などの副作用が起こりやすく、前立腺肥大や緑内障の症状を悪化させる恐れがあります。
当ブログ記事「抗ヒスタミン薬ってそもそも何なの?」より引用
抗コリン作用は主に第一世代の抗ヒスタミン薬が併せ持つ作用であり、ジフェンヒドラミンも第一世代の抗ヒスタミン薬のためにその作用を持っています。
そのため、まず前立腺肥大や緑内障と診断されている人は睡眠改善薬を飲んではいけません。
また、抗コリン作用の副作用として口の乾きやまぶしさ、便秘などの副作用が起こりうることも理解しておく必要があります。
市販の睡眠改善薬の選び方
上述したように市販の睡眠改善薬の成分は全て同じ「ジフェンヒドラミン」で、1回量も全て同じ「50mg」です。
そのため、錠剤が良いかカプセルが良いか、液剤が良いかなど剤形で好きなものを選びましょう。
おそらく一番有名な睡眠改善薬。有名なものが良い人に。
1回1カプセルの服用でOK
他よりも少し小さい。小さく飲みやすい錠剤が良い人に。
ドリンク剤
1回だけ試してみたいときに買える1回包装のものもあり
ドリエルのカプセル版。
- 市販の「睡眠改善薬」は医療用の「睡眠薬」とは似て非なるもの!
- 「睡眠改善薬」は抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用している
- あくまで薬を使わない手段を試した上で、それでも不眠が続くときに一時的に用いるべき
- 前立腺肥大や緑内障の人は使えない
- 成分は全て同じなので、剤形や1回量などで好きなものを選びましょう