抗ヒスタミン薬ってそもそも何なの?【効能効果をわかりやすく解説】

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薬剤師のAutmです!

今まで抗ヒスタミン薬についての記事をいくつか書いてきましたが、そもそも抗ヒスタミン薬って何なの?と思っている方もいるかもしれません。

  • そもそもヒスタミンって何なの?
  • そもそも抗ヒスタミン薬って何なの?
  • 病院ではどうやって使われているの?

今回はそんな方のために、抗ヒスタミン薬についてわかりやすく解説していきたいと思います。

そもそも抗ヒスタミン薬とは?

抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎の治療薬として病院でもよく処方される薬です。あなたもアレルギーの症状があって病院に行ったときに一度は処方されたことがあるのではないでしょうか。

抗ヒスタミン薬の歴史は長く、今では数多くの抗ヒスタミン薬が発売されています。

市販されている抗ヒスタミン薬

国内で市販薬として発売されている抗ヒスタミン薬でよく名前を聞くものを挙げてみました。

  • 第一世代
    • レスタミンUコーワ錠
    • ポララミン錠
    • アレルギール錠
  • 第二世代
    • アレグラFX
    • アレジオン20
    • ムヒAZ錠
    • エバステルAL錠
    • クラリチンEX錠
    • コンタック鼻炎Z
    • エスタック鼻炎カプセル12
    • ザジテンAL鼻炎カプセル

そもそもヒスタミン・抗ヒスタミン薬とは?

まず、そもそもヒスタミンとは何なのでしょうか?

単刀直入に言うと、ヒスタミンとは体内にある化学物質のひとつです。

ヒスタミンは普段は体の中で細胞の中に貯留されており、血圧を下げるはたらきや平滑筋を収縮させるはたらき、分泌物の分泌を促進させるはたらきなどをしています。

しかし、アレルギー反応や炎症が起こったときには主に肥満細胞というところからヒスタミンが過剰に放出されます。

そして、過剰放出されたヒスタミンがヒスタミン受容体(H1受容体)というところとくっつくことでアレルギーの症状が発現します。

簡単に表すと次の図のようなイメージです(イラスト作ってみました)。

ヒスタミンがH1受容体とくっつくことでアレルギーが発現していますね。


では、抗ヒスタミン薬はどのように働くのでしょうか。

抗ヒスタミン薬はヒスタミン受容体(H1受容体)と結合してヒスタミンの作用を抑えることでその作用を発現します。

これも簡単に表すと次の図のようなイメージです。

ヒスタミンがH1受容体にくっつく前に抗ヒスタミン薬がH1受容体に先にくっついていますね。

これによりヒスタミンがH1受容体にくっつくことができなくなってアレルギー症状を起こすことを未然に防ぐことができるため、アレルギーの症状、例えばアレルギー性鼻炎ではくしゃみや鼻水などを改善する作用があります。

病院における抗ヒスタミン薬

ヒスタミン、抗ヒスタミン薬の作用機序について説明しました。

作用機序を見るとなにやら効果がありそうというのがわかると思いますが、実際に病院ではどのように使用されているのでしょうか。

病院での抗ヒスタミン薬の使われ方

病院では抗ヒスタミン薬は外来患者はもちろん入院患者においても使用されています。

よく市販薬が用いられる理由となるくしゃみや鼻水などの症状に加えて、急性蕁麻疹や慢性蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、その他皮膚疾患のそう痒(かゆみ)など幅広い症状に対して用いられています。

しかし、果たしてそれらの効果はきちんとしている(推奨されている)のでしょうか?

ガイドラインでの位置付け

ここで、国内のガイドラインの記載を見てみましょう。

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会が作成した「鼻アレルギー診療ガイドラインー通年性鼻炎と花粉症ー2020年版」によると、第二世代抗ヒスタミン薬は軽症から重症まで適応となり、広く使用することができる薬剤となっています。

また日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」でも「抗ヒスタミン薬内服の併用は、アトピー性皮膚炎の痒みを有意に抑制する」として、そう痒による苦痛の軽減と痒みによる掻破のための悪化を予防する目的で抗ヒスタミン薬の使用が推奨されています。

抗ヒスタミン薬は各種ガイドラインにもしっかりと記載されており、推奨されているということがわかりますね。

これらの記載に則り、病院では上記の症状に対して用いられているのです。

注意

病院の薬でもそうですが、市販薬はそれぞれ適応(使える症状)が分かれているので、必ずしも上に挙げた症状全てに用いることができるというわけではないというところにはご注意ください。お薬として考えられる作用と国が認めているお薬の使用目的は必ずしも一致しないことは多々あります。この辺りはいつか解説したいところですね。

第一世代と第二世代の違い

ここまで第一世代、第二世代と書いてきましたが、それらは一体何が違うのでしょうか。

簡単に言うと、第一世代、第二世代とは開発された時期によって付けられた名称です。第一世代のほうが古く、第二世代のほうが新しいです。

第二世代抗ヒスタミン薬の特徴

鼻アレルギー診療ガイドライン2020には第二世代抗ヒスタミン薬の特徴として次のような記載があります。

第二世代抗ヒスタミン薬の特徴(第一世代と比較して)
  • 中枢抑制、抗コリン作用などの副作用が少ない
  • 全般改善度はよい
  • 鼻閉に対する効果がややよい
  • 効果の発現がやや遅いが、長く持続する
  • 連用により改善度が上昇する

※鼻アレルギー診療ガイドライン2020より引用

このガイドラインの記載のように、全体的には第二世代のほうが眠気などの副作用が少なく、効果も良いとされています(副作用については後述します)。

国際的ガイドラインの基準となる「ARIA」というレポートがあるのですが、このARIAにおいても安全性や有効性などを考慮したうえで、花粉症治療薬として第二世代抗ヒスタミン薬が推奨されています。

そのため、特に何らかの意図があるのでなければ、第二世代の抗ヒスタミン薬を選ぶのが良いでしょう。

抗ヒスタミン薬の主な副作用

さて、それでは抗ヒスタミン薬の主な副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。

眠気

おそらく抗ヒスタミン薬の副作用で一番有名であり、市販薬を購入する際にも多くの人が気になるところなのではないでしょうか。

そもそも抗ヒスタミン薬ではなぜ眠気が起きやすいのでしょうか?

まず、ヒスタミンは脳内では覚醒や集中の作用を担っています。

そして、抗ヒスタミン薬は脳内へ移行することもあります。

ここまでの説明でなんとなくわかった方もいるかもしれません。

つまり、抗ヒスタミン薬が脳内へ移行して、脳内にあるヒスタミン受容体をブロックすることで覚醒作用が低下してしまうために眠気を感じてしまうのです。

では、眠気が起きにくい抗ヒスタミン薬は他と何が違うのでしょうか?

答えは簡単です。

脳内へ移行してヒスタミン受容体を占有する割合というのが抗ヒスタミン薬によってそれぞれ違っており、その占有率がそのまま眠気の起きやすさを表す1つの指標となることが示唆されています。

つまり、脳内ヒスタミン受容体の占有率が低い抗ヒスタミン薬ほど眠気が起きにくいということになります。

次の図は主な抗ヒスタミン薬のヒスタミン受容体占有率をまとめたものです(論文より引用改変しています)。

図に示しているようにヒスタミンH1受容体占拠率50%以上が鎮静性50〜20%が軽度鎮静性20%以下が非鎮静性とされています。

第一世代の抗ヒスタミン薬はどれも占拠率が50%以上と鎮静性であり、中枢神経抑制作用が強いことが問題となっていました。

そのため、それ以降に開発された第二世代の抗ヒスタミン薬は概ねどれも占有率が低くなっています。

つまり、簡単に考えると第一世代に比べて第二世代のほうが眠気が起きにくいということですね。

ちなみに、眠気が起きやすい薬ほどよく効くというわけではありません。そのため、眠気が起きにくい抗ヒスタミン薬を選ぶことが基本的には重要になってきます。

インペアード・パフォーマンス

眠気の他にインペアード・パフォーマンスというのもしばしば問題になります。

インペアード・パフォーマンスとは、眠気を感じていなくても無自覚のうちに集中力が低下していることを指します。

いわば、自覚していない眠気のようなものですね。

眠気と同様にインペアード・パフォーマンスは自動車の運転などにも影響を及ぼします。

ヒスタミンは脳内では覚醒と集中を担うと書きましたが、抗ヒスタミン薬によって集中力が低下してしまうことが原因です。

そのため、眠気と同様に脳内のヒスタミン受容体の占有率がインペアード・パフォーマンスに関わってきます(つまり眠気同様に第二世代のほうが起きにくい)。

集中力が低下してしまうことで仕事の作業効率などにも影響してくるので、抗ヒスタミン薬を選ぶ際はインペアード・パフォーマンスが起こりにくいという観点にも注意する必要があります。

抗コリン作用(口の乾きなど)

抗ヒスタミン薬では口が乾きやすくなったり、前立腺肥大や緑内障の症状を悪化させてしまうということも聞いたことがあるかもしれません。

少し難しいので詳細な説明は割愛しますが、これは「抗コリン作用」という作用によるものです。

抗コリン作用により口の乾きやまぶしさ、便秘などの副作用が起こりやすく、前立腺肥大や緑内障の症状を悪化させる恐れがあります。

この抗コリン作用は主に第一世代の抗ヒスタミン薬が併せ持っている作用であり、第二世代の抗ヒスタミン薬には抗コリン作用がないものがほとんどです(抗コリン作用を持っているものもあります)。

そのため、口の乾きが気になる人や前立腺肥大、緑内障の人は第一世代抗ヒスタミン薬を避け、第二世代の抗ヒスタミン薬を購入するべきでしょう。不安な人は購入する前に薬剤師や登録販売者に相談するようにしてください。

もちろんこのブログでもその点について、商品を紹介する際には説明するようにしていきます。

まとめ

  • ヒスタミンは様々な作用を持ち普段は細胞内に貯留されているが、アレルギーの際には介在物質として働く
  • 抗ヒスタミン薬はヒスタミンがH1受容体にくっつくのを阻止し、アレルギーの発現を抑える作用を持つ
  • 病院ではくしゃみや鼻水などの症状に加えて、急性蕁麻疹や慢性蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、その他皮膚疾患のそう痒(かゆみ)など幅広い症状に対して用いられている
  • 安全性や有効性などを考慮したうえで、花粉症治療薬として第二世代抗ヒスタミン薬が推奨されている
  • 抗ヒスタミン薬の主な副作用としては眠気、インペアード・パフォーマンス、抗コリン作用による口渇などがあり、第一世代で起こりやすい

本記事ではヒスタミン・抗ヒスタミン薬について簡単に説明しました。

普段飲んでいる抗ヒスタミン薬が体の中でどのように働いているのか、なんとなくわかったと思います。

薬の作用がわかる、思い浮かべられることは、より主体性を持って薬を購入することへの手助けになることでしょう。

今後もこのような薬の作用の解説記事はたくさん書いていくつもりなので、ぜひ薬剤師と同じくらい薬に詳しくなって、市販薬マスターを目指していきましょう。

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