トラベルミンシリーズの選び方について解説!【フローチャートあり】

Autm
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病院薬剤師のAutmです!

乗り物酔いしやすい方にとって重宝する酔い止め薬。

今回はその中でも特に有名であろうトラベルミンシリーズについて説明します。

  • トラベルミンって色々あるけど何が違うの?
  • どれを買えばいいの?
  • 見たらすぐわかるフローチャートが欲しい!

このような方のために記事を書きました。

記事の最後で選び方についてフローチャートでまとめています。

乗り物酔いの薬の種類・特徴・使い分けについて解説!

↑乗り物酔いの薬の概要について知りたい方はまずこちらの記事をご覧ください。

トラベルミンシリーズそれぞれの特徴解説

現在発売されているトラベルミンシリーズにはトラベルミン(大人用)、トラベルミン1、トラベルミンファミリー、トラベルミンジュニア、トラベルミンチュロップ、トラベルミンRの6種類があります。

まず、それぞれの特徴を1つずつ解説していきます。

トラベルミン(大人用)

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回1錠1日3回〜4回
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は3回までとしてください。
  • 成分(1錠中)
    • ジフェンヒドラミン40mg:第一世代抗ヒスタミン薬
    • ジプロフィリン26mg:交感神経作動薬
  • 宣伝文句
    • 小さな錠剤で飲み込みやすい大人用の錠剤
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:禁止

解説

抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミンと中枢神経興奮作用を持つジプロフィリンの2つの成分を合わせた薬です。

抗コリン作用を持つ第1世代の抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンによる乗り物酔いに対する作用と、ジプロフィリンの中枢興奮作用で症状の緩和や抗ヒスタミン薬の眠気を軽減する効果が期待できます。

トラベルミンシリーズの基本となる商品なので、15歳未満の子どもは服用できませんが15歳以上の大人でとりあえず酔い止めの薬を一つ持っておきたいという方には安定しておすすめできます。

トラベルミン1

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回1錠1日1回
    • 15歳未満:服用しないこと
  • 成分(1錠中)
    • 塩酸メクリジン50mg:抗ヒスタミン薬
    • スコポラミン臭化水素酸塩水和物0.25mg:抗コリン薬
  • 宣伝文句
    • 1日1回1錠で効く
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:医師や薬剤師に相談すること(後で詳しく説明します)

解説

抗ヒスタミン薬のなかでは比較的作用時間の長いメクリジンと、抗コリン薬のスコポラミンの2つの成分が含まれています。

眠気は起こりやすいかもしれませんが、長時間の移動(飛行機、船など)であれば逆に寝ることで乗り物酔いを気にせず過ごすことができると思います。

1日2回の製剤だと途中で再服用する必要が生じますが、これは1日1回タイプなので1回飲むことで効果が切れる心配をしなくても大丈夫です。

そのため、海外旅行で長時間飛行機に乗る際などにはこちらを服用しておけば安心と言えるでしょう。

トラベルミンファミリー

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回2錠1日2回まで
    • 11歳以上15歳未満:1回2錠1日2回まで
    • 5歳以上15歳未満:1回1錠1日2回まで
    • 5歳未満:服用しないこと
    • なお、追加服用する場合は、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください。
  • 成分(2錠中)
    • 塩酸メクリジン25mg:抗ヒスタミン薬
    • スコポラミン臭化水素酸塩水和物0.16mg:抗コリン薬
  • 宣伝文句
    • 家族みんなで服用できる
    • ラムネのようにふわっと溶ける
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:医師や薬剤師に相談すること(後で詳しく説明します)

解説

トラベルミン1と含有成分は同じですが、含有量は2錠飲んでトラベルミン1の約半分と同じ量です。そのため1日2回服用となっています。

トラベルミン1は15歳未満の子どもは服用できないですが、こちらであれば5歳以上の子どもがいるご家庭であればこれ一つで家族みんなで使うことができます。

そのため、家族旅行で一つ酔い止めの薬を持っておきたいという方はこちらが良いのではないでしょうか。

トラベルミンジュニア

特徴

  • 用法用量
    • 11歳以上14歳以下:1回2錠1日3回まで
    • 5歳以上10歳以下:1回1錠1日3回まで
    • 5歳未満:服用しないこと
    • なお、追加服用する場合は、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は3回まで
  • 成分(1錠中)
    • ジフェンヒドラミン20mg:第一世代抗ヒスタミン薬
    • ジプロフィリン13mg:交感神経作動薬
  • 宣伝文句
    • 小さな錠剤で飲みやすい子供用の乗りもの酔い薬
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:禁止

解説

成分はトラベルミン(大人用)と同じで、含有量が子供用に半分になっています。

そのため、子どもだけの旅行(部活の遠征や修学旅行など)などの際は、こちらを持たせてあげるのが良いと思います。

トラベルミンチュロップ

特徴

  • 用法用量
    • 11歳以上〜大人まで:1回2錠1日2回まで
    • 5歳以上11歳未満:1回1錠1日2回まで
    • 5歳未満:服用しないこと
    • なお、追加服用する場合は、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください。
  • 成分(2錠中)
    • d-クロルフェニラミンマレイン酸塩1.33mg:第一世代抗ヒスタミン薬
    • スコポラミン臭化水素酸塩水和物0.166mg:抗コリン薬
  • 宣伝文句
    • お子さまにも服用しやすいドロップタイプの乗りもの酔い薬
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:医師や薬剤師に相談すること(後で詳しく説明します)

解説

ぶどう味とレモン味の2種類があります。

他と違って飴のようになめて服用できるので、錠剤が飲み込みにくい子どもや水を飲むのもつらい乗り物酔いの症状であっても服用しやすいのが利点でしょう。

飴だからといって成分量が少ないわけではなく他のトラベルミンと同程度の量が含有されているため効果の心配は無用です。

トラベルミンR

特徴

  • 用法用量
    • 11歳以上〜大人まで:1回1錠1日2回まで
    • 11歳未満:服用しないこと
    • なお、追加服用する場合は、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください。
  • 成分(1錠中)
    • ジフェニドール塩酸塩16.6mg:抗めまい薬
    • スコポラミン臭化水素酸塩水和物0.16mg:抗コリン薬
    • 無水カフェイン30.0mg:コーヒーに含まれるのと同じ成分。平衡感覚の乱れによるめまいを軽減。
    • ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)5.0mg:神経機能を正常に保つビタミン。吐き気に効果あり。
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 前立腺肥大・緑内障:医師や薬剤師に相談すること(後で詳しく説明します)
  • 宣伝文句
    • 眠気の比較的少ない成分を配合 
    • 旅行を車窓からも楽しむ方へ

解説

「眠気の比較的少ない成分を配合」と公式が謳っているように、眠気の起きやすい抗ヒスタミン薬が含まれていないのが特徴です。

他のトラベルミンには全て抗ヒスタミン薬が含まれているので、「とにかく眠くなりたくない」という人にはこちらが良さそうです。

ジフェニドールは医療用医薬品としても使われているめまいを抑える成分なので、抗コリン薬のスコポラミンで乗り物酔いを予防しつつ、乗り物酔いになってからのめまいの症状もきちんと抑えることができます。

ただし、カフェインが含まれているため、コーヒーを飲んだときのようにトイレが近くなる可能性があることは一応知っておくと良いかもしれません。

緑内障・前立腺肥大の人は服用できない?

緑内障・前立腺肥大の人は服用できない理由

緑内障・前立腺肥大の人に対して

トラベルミン(大人用)とトラベルミンジュニアは「禁止」

それ以外は「医師や薬剤師に相談すること」

となっています。

これは、緑内障の人が飲むと緑内障の急性発作を起こす恐れがあり、前立腺肥大の人が飲むと尿が出なくなってしまう(尿閉)恐れがあるためです。

なぜトラベルミン(大人用)とトラベルミンジュニアだけ禁止になっているかというと、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミンが含まれているからです。

抗ヒスタミン薬の中ではジフェンヒドラミンのみ緑内障・前立腺肥大に対して禁忌となっています。

では、禁止ではない他の薬であれば緑内障や前立腺肥大の人でも飲んで良いのでしょうか?

緑内障の人
緑内障の人

「医師や薬剤師に相談」ってことはとりあえず相談さえすれば飲んでいいんでしょ?

抗コリン作用の強さを示した指標(Anti-Cholinergic Burden Score)ではジフェンヒドラミンの他にスコポラミン、クロルフェニラミン、メクリジンなどもジフェンヒドラミンと同等の「最も作用が強い」に分類されています。

トラベルミンシリーズには上記の成分のいずれかはどれも含まれています。

そのため、添付文書では禁止とはなっていませんが、薬剤師的には緑内障・前立腺肥大の人は避けるほうが無難と考えられます。

ちなみに他の乗り物酔いの薬にもだいたい上記の成分は含まれているので、緑内障・前立腺肥大の人は遠くの景色を見るようにしたり音楽を聞いたりと、薬を飲むこと以外の対策を考えるようにしたほうが良いです。

薬以外の対策についてはまたいつか記事でまとめようと思います。

総合感冒薬、抗アレルギー薬などを服用している人も服用できない?

総合感冒薬、抗アレルギー薬などを服用している人が服用できない理由

トラベルミンの添付文書(薬の説明書)には

「他の乗物酔い薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤
を含有する内服薬等(鼻炎用内服薬、アレルギー用薬等)」を服用している人は使用しないでくださいと書かれています。

これは、総合感冒薬や抗アレルギー薬には乗り物酔いの薬に含まれている成分と同じ成分が含まれていることが多く、その場合作用が重複し副作用が出てしまう恐れがあるからです。

そのため、これらの薬を飲んでいる人は避けるほうが良く、こちらも薬以外の対処法を考えるべきと言えるでしょう。

自分の飲んでいる薬との飲み合わせが心配な場合は薬局やドラッグストアの薬剤師に相談してみてください。

トラベルミンシリーズの選び方

フローチャート

これまで説明してきた特徴を基にトラベルミンシリーズの選び方を簡単にフローチャートに示してみました。

以前の記事で書いたように、抗コリン薬は予防、抗ヒスタミン薬は症状の改善に用いることを前提とした選び方としています。

たくさんあるトラベルミンシリーズですが、こうしてみると使い分けは意外と簡単なことがわかりますね。

まとめ

  • 緑内障・前立腺肥大の人は薬以外の対処法を考えるべき
  • 総合感冒薬・抗アレルギー薬を服用している人も同様
  • トラベルミンシリーズの使い分けは意外と簡単!

どうでしたか?

乗り物酔いになるとせっかくの旅行が楽しくなくなってしまうので、乗り物酔いしやすい人は薬を飲んでしっかりと予防し、症状が出たらきっちりと治すようにしましょう。

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