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解熱鎮痛薬:EVEシリーズの選び方  ~5つの製品の買い方・選び方~

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イブシリーズの使い分け!

以前、痛み止めとしてアセトミノフェン製剤についてご紹介しました。

今回はより痛み止めとして強い効果が期待される解熱鎮痛薬のEVE(イブ)シリーズについて、各商品の特徴や違いについてご紹介したいと思います。

こんな疑問をお持ちではないですか?
  • EVEシリーズの成分はどんなもの?
  • EVEシリーズの効果や飲み方に違いがあるの?値段の違いは?
  • 結局、どれを買えばよいの?

このような疑問をしっかりと解決していきます。また、一番下の『まとめ』に購入フローチャートを作成しています。結論だけですぐに購入を検討の方は下までどうぞ!

なお、EVE(イブ)シリーズどうようにイブプロフェンが配合されている総合感冒薬(かぜ薬)であるエスタックイブについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。

はじめに

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頭痛や生理痛をしっかり改善させてくれるお薬を!

EVEシリーズはイブプロフェンという薬効成分を中心に配合した解熱鎮痛薬です。イブプロフェンはNSAIDs(非ステロイド性解熱鎮痛薬)と呼ばれる分類のお薬で、解熱鎮痛作用のメカニズムが明確となっているお薬です。

イブプロフェンを配合した『イブ』という市販薬はエスエス製薬さんが1985年に発売を開始したお薬です。総合感冒薬のエスタックイブシリーズと分けて考えれば、現在『イブ』シリーズは5種類の薬剤が市販されています。

今回はこの5種類のお薬についてその成分の微妙な差や、それに伴う効果や用法・用量の違いとして考えられること、価格の違いについて正確な情報をお届けしたいと思います。本記事を読んで、しっかりと自分にあった『イブ』をお選びいただけるよう丁寧に解説します。

EVEシリーズ~各種紹介~

まずは、市販されているEVEシリーズについて商品名をご紹介します。

  • イブA錠
  • イブA錠EX
  • イブクイック頭痛薬
  • イブクイック頭痛薬DX
  • イブメルト

総合感冒薬のエスタックイブシリーズを除けば上記の5種類が解熱鎮痛薬として市販されています。

イブA錠

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回2錠
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は3回までとしてください。
  • 成分(2錠中)
    • イブプロフェン150mg:解熱鎮痛薬
    • アリルイソプロピルアセチル尿素60mg:鎮静作用
    • 無水カフェイン80mg:鎮痛補助
  • 宣伝文句
    • いつもの生理痛・頭痛に
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 長期連用しないこと

解説

解熱鎮痛薬のイブプロフェンと鎮静作用のある成分が配合されています。

鎮静作用が配合されているため、自動車運転等は勧められませんが、逆に痛みや熱等でなかなか眠れず、少しでも眠りの補助を薬に期待する場合は使用が推奨されます。

イブA錠EX

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回2錠
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を6時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください
  • 成分(2錠中)
    • イブプロフェン200mg:解熱鎮痛薬
    • アリルイソプロピルアセチル尿素60mg:鎮静作用
    • 無水カフェイン80mg:鎮痛補助
  • 宣伝文句
    • 生理2日目の痛みにも
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 長期連用しないこと

解説

イブA錠よりも鎮痛成分のイブプロフェンの量が増えており、より強い解熱鎮痛作用が期待されます。イブプロフェンは量が増えれば鎮痛効果が強くなる傾向があるといわれています。

宣伝文句は生理痛となっていますが、多くの痛みに対して使えます。この薬を飲んでも強い痛みがある場合は、病院等への受診を推奨します。

イブクイック頭痛薬

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回2錠
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を4時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は3回までとしてください
  • 成分(2錠中)
    • イブプロフェン150mg:解熱鎮痛薬
    • 酸化マグネシウム100mg:制酸作用
    • アリルイソプロピルアセチル尿素60mg:鎮静作用
    • 無水カフェイン80mg:鎮痛補助
  • 宣伝文句
    • 頭痛に速攻!
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 長期連用しないこと

解説

イブプロフェンは副作用として胃への負担がありますが、制酸作用のある酸化マグネシウムを配合することで、この副作用を軽減してくれることが期待できそうです。

頭痛薬となっていますが、生理痛にももちろん使用可能です。酸化マグネシウム以外の成分はイブA錠と同じであり、多少価格がありますが胃を荒らす副作用の軽減という点でもこちらが推奨できます。

クイックアクション製法という製剤技術により、飲んでから速い効果が望めます。

イブクイック頭痛薬DX

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回2錠
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を6時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください
  • 成分(2錠中)
    • イブプロフェン200mg:解熱鎮痛薬
    • 酸化マグネシウム100mg:制酸作用
    • アリルイソプロピルアセチル尿素60mg:鎮静作用
    • 無水カフェイン80mg:鎮痛補助
  • 宣伝文句
    • つらい頭痛に速攻!
  • 注意点
    • 自動車運転:禁止
    • 長期連用しないこと

解説

イブA錠EXに制酸作用の酸化マグネシウムを配合しています。イブプロフェンがイブクイック頭痛薬より50mg多く配合されており、より強い効果が期待できそうです。

クイックアクション製法という製剤技術により、飲んでから速い効果が望めます。

イブメルト

特徴

  • 用法用量
    • 15歳以上:1回1錠
    • 15歳未満:服用しないこと
      • なお、追加服用する場合には、1回量を6時間以上の間隔をおいて服用してください。1日の服用回数は2回までとしてください
  • 成分(2錠中)
    • イブプロフェン200mg:解熱鎮痛薬
  • 宣伝文句
    • 水なしで飲めて効く!
  • 注意点
    • 自動車運転:可能
    • 長期連用しないこと

解説

レモンライム味で水なしで飲めます。

成分はイブプロフェン単独なため、他のお薬と異なり自動車運転可能です。

EVEシリーズの共通点

それぞれの製品同志の共通の特徴についてです。

鎮痛効果の強さ

イブプロフェンの強さは市販薬のアセトアミノフェン製剤(タイレノールA錠など)よりも強いとされています。

飲む量が多いほど効果が強くなる傾向がありますが、同時に副作用も起こりやすくなるといわれています。用法・用量は守って使うようにしましょう。

妊娠中と授乳について

イブプロフェンは妊娠後期(28週以降)は胎児に影響を及ぼす可能性があります。この期間には使わないようにご注意ください。

一方で、授乳中には安全に使用できる薬といわれています。特にイブメルトはイブプロフェン単独製剤であり、授乳中でも使いやすいお薬といえるかもしれません。

共通の注意

イブシリーズの使用にはいくつかの注意点があります。1つめはインフルエンザの解熱鎮痛には使いにくいことです。インフルエンザ中に一部の解熱鎮痛薬を使用すると、『インフルエンザ脳症』という危険な副作用の可能性があります。イブプロフェンはインフルエンザ中の使用に対して、安全性が確認できていない成分です。

また、イブメルト以外に配合されいてるアリルイソプロピルアセチル尿素は薬による皮膚の湿疹である『薬疹』を引き起こすことがあります。ご注意ください。

EVEシリーズの比較

各製品の比較です。

成分の効果と製品ごとの違い

各製品の成分の違いとそれぞれの成分の効果についてご説明します。各製品の含有成分は次の通りです。

イブメルト以外は1回2錠中の成分量です(イブメルトは1錠中)

イブプロフェンは解熱鎮痛成分です。ステロイドではない鎮痛成分として非ステロイド性解熱鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれるグループのお薬です。妊娠後期(28週以降)の方には胎児への影響の可能性から使いにくい一方、授乳中には安全に使用できると考えられる薬とされています(国立成育医療研究センターより)。

無水カフェインや清涼飲料水やコーヒーにも含まれる成分で、中枢神経の興奮による鎮痛作用が期待されます。

アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮静作用のある成分です。実際に頭痛等の痛みを和らげるという報告はほとんどありません。その鎮静作用から、風邪や頭痛時に少しでもよく眠れるお薬が欲しい時にはこの成分が含有されている商品が推奨されます。逆に自動車の運転や高所での作業があるときなどは配合されていない製品を購入することを推奨します。

酸化マグネシウムは胃酸を中和する作用があります。NSAIDsという鎮痛成分は胃を荒らす作用が知られていますが、その作用を軽減することを期待して配合されていると考えられます。

EVEシリーズの選び方

イブシリーズに関しては、イブA錠やイブクイック頭痛薬の購入をあえて推奨する状況はあまり多くないでしょう。

少しでも強い鎮痛効果を期待する場合はイブクイック頭痛薬DXまたはイブA錠EX、 即効性を期待する場合はイブクイック頭痛薬DX、価格が安いものが良ければイブA錠EXが推奨されます。

また、運転や高所での作業の可能性やアリルイソプロピルアセチル尿素に対する過敏症等がある方、飲みやすい薬が良い場合はイブメルトが良いでしょう。

まとめ

EVEシリーズはイブプロフェンを中心とした5種類の薬剤でした。EVEシリーズ以外にもイブプロフェンを成分とするものはありますが、まずは今回紹介した5種類の製品を正しく理解して使用できれば十分だと思います。

いずれ他の成分のお薬や、別の解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンとの配合錠についてもご紹介したいと思います。

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