広告
病院で働いている薬剤師のAutmです!
以前の記事でアレグラFXについて解説しましたね。
アレグラFXの効果や副作用について解説!覚えておきたい4つの注意点とは?【抗ヒスタミン薬 徹底解説】その記事の中でアレグラFXは理想的な抗ヒスタミン薬の条件を全て満たしていて眠気も少ないためオススメできる抗ヒスタミン薬であると書きました。
アレルビとかノスポール鼻炎錠FXとかコーミイFXソフトとかアレルギー性鼻炎の薬として売られているアレグラFXに似ている名前の薬があるけどそれってアレグラFXとはどう違うの?
今回はこのような疑問をお持ちの方のために、上記のようなフェキソフェナジン含有製品について比較してみました。
広告
目次
フェキソフェナジン含有製品一覧と成分比較
現在市販薬として売られているフェキソフェナジン含有製剤で、2020/5/31現在店頭やインターネット通販サイトでの販売が確認できたものがこちらです。
- アレグラFX(久光製薬)
- アレルビ(皇漢堂製薬)
- ノスポール鼻炎錠FX(協和薬品工業)
- コーミイFXソフト(奥田製薬)
- フェキソフェナジン錠α(奥田製薬)
これらについて一つ一つ成分を見ていきましょう。
アレグラFX
成分:1錠中フェキソフェナジン60mg
添加物:結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、ポビドン、酸化チタン、マクロゴール400、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄
アレルビ
成分:1錠中フェキソフェナジン60mg
添加物:セルロース、部分アルファー化デンプン、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム
ノスポール鼻炎錠FX
成分:1錠中フェキソフェナジン60mg
添加物:部分アルファー化デンプン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースNa、無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ
コーミイFXソフト
成分:1錠中フェキソフェナジン60mg
添加物として、大豆レシチン、ポリソルベート80、モノステアリン酸グリセリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ゼラチン、濃グリセリン、D-ソルビトール液、酸化チタン、三二酸化鉄を含有
フェキソフェナジン錠α
成分:1錠中フェキソフェナジン60mg
添加物:部分アルファー化デンプン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースNa、無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ
成分はどれも1錠中フェキソフェナジン60mg。医療用のアレグラと全く同じです。
アレグラFX以外はいわゆるアレグラのジェネリック医薬品ということになります。
添加物には多少の違いがありますが、成分量が全く同じであるため基本的には上に挙げた5つはどれもほとんど同一であると考えてよいでしょう。
よくある疑問
添加物が違ったら薬の効果にも影響があるんじゃないの??
そう思う方もいると思います。
ここで、厚生労働省の作成したジェネリック医薬品Q&Aを見てみましょう。
ジェネリック医薬品と先発医薬品とは、有効性や安全性について基本的に違いはありません。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と異なる添加剤を使用する場合が多くありますが、先発医薬品が上市後に添加剤を変更する場合と同様に、添加剤の違いによって有効性・安全性に違いが生じないことを確認しています。
ジェネリック医薬品Q&A
「有効性・安全性に違いが生じないことを確認」しているとは、具体的には「生物学的同等性試験」というジェネリック医薬品が先発医薬品と治療学的に同等であることを証明するために実施する試験の結果を基にジェネリック医薬品の審査を行っていることを意味しています。
国の審査に合格したものしかジェネリック医薬品としては認められないので、安心して先発品(アレグラ)と同じものとして飲んでいただくことができます。
添加物の違いによって有効性が変わらないことはわかったけどそもそもその添加物って大丈夫なの?ヘンなの使ってない?
このように思う方もいるかもしれません。
しかし、結論から言うと一般的な薬に使われている添加物ばかりなので安全性に問題はないと言えるでしょう。
詳しく知りたい方のために少し添加物について解説します。興味のある方はクリック(タップ)してみてください。
上記の薬に使用されている添加物は分散・凝集作用、接着作用、膨潤作用、被膜形成能、粘着性などの性質を持つため、製剤添加物としてよく利用されている一般的なものばかりです。
以下に簡単にその作用の例を示します。
- 結合剤:接着作用を持つ
- セルロース
- ヒドロキシプロピルセルロース
- デンプン
- 懸濁化剤・増粘剤:分散、凝集作用
- カルメロースナトリウム
- ポビドン
- コーティング剤:皮膜を形成する作用
- ヒプロメロース
- 崩壊剤:膨潤作用
- クロスカルメロースナトリウム
どれも広く使われているものばかりなため、特に何も問題はないと言っていいでしょう。
ジェネリックのメリット
ジェネリック医薬品は先発医薬品の長年にわたる臨床使用経験などを踏まえて製造され、研究開発に要する費用が少なくて済むことや、有効性や安全性が先発品である程度確立されていることにより情報提供などの販売管理費も少なくて済むため、薬価が低く設定されています。
そのため、先発品と同等の品質でありながら安く買うことができるという大きなメリットがあります。
実際に通販サイトでの販売価格を確認したところ、先発品であるアレグラFXに比べて他のフェキソフェナジン含有製剤では半分以下の価格になっているようです。
そのため、少しでも安く買いたい方でどうしてもアレグラがいいといったようなこだわりのある方以外は、価格の安いジェネリックのほうを選ぶのが良いのではないでしょうか。
まとめ
- アレグラFXに似ている名前の薬はアレグラのジェネリック
- アレグラ(先発品)と同等の品質が保証されている
- アレグラ(先発品)より安く買うことができる
アレルビやノスポール鼻炎錠FX、コーミイFXソフトなどアレルギー性鼻炎の薬として売られているアレグラFXに似ている名前の薬は、アレグラのジェネリックであり、先発品と同等の品質が保証されているということを説明しました。
同等の品質である上で先発品のアレグラFXよりも安く買うことができるため、特にこだわりが無ければ安いジェネリックの方を買って問題ないと思います。